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本記事は2021年3月にSQFIのホームページで更新された"Bureau Veritas SQF Webinar - The ONE thing you NEED to do before your audit."を参考にしております。本記事内で紹介する内容と実際の情報には多少解釈の違いがある場合があります。あらかじめご了承ください。

 

SQF ウェビナー  -9版内部監査-

 2021年5月24日よりSQFコード第9版が実施されましたね。
食品安全文化(Food Safety Culture)など新たなキーワードもでてきました。そんな中、今回は内部監査について書いていこうと思います。
 
さて、第9版の内部監査と聞いて皆さんは何を思いますか?
「たいした変更はない」こう思っている方も少なくないんじゃないでしょうか?確かにそのとおりだと私も思います。多少の番号の変更・言葉の言い換えはありますが、それほど大きな変更はないといえるでしょう。 
 
ではなんでこの内部監査について触れるのか...ですよね。
先日更新されたSQFIのウェビナーにて、内部監査に関する興味深い統計や監査員として共感できる考え方が紹介されてましたので、私自身の考えも交えて皆さんにシェアしたいと思います。ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

 内部監査 スコア編

早速ですがウェビナーで紹介されていた統計がこちらです。
     

数字で見る内部監査
  サイト(工場)数 アベレージスコア
 内部監査にて不適合がなかったサイト(工場) 約7,000 95.27
 内部監査にて1個の軽微な不適合があったサイト(工場) 653 89.82
 内部監査にて1個の重要な不適合があったサイト(工場) 11 64.27
                                                     ※弊社作成
 
この統計をみて何を感じましたか?
注目すべきは下2段のアベレージスコアです。それぞれは軽微(マイナー)又は重要(メジャー)な不適合が 1個見つかったサイトの平均点を指しています。
不適合が見つからなかったサイトと平均点で比較すると
マイナーな不適合は- 1点にもかかわらず、ー 6
メジャーな不適合は-10点にもかかわらず、31点の差が生まれています。
 
皆さんはこれをふまえてどう思いますか?
たんなる数字のマジックでしょうか?
 
「1個の不適合が内部監査全体に大きく影響しすぎている。」
これが今日伝えたかった事の1つです。
 
ではもう少し踏み込んで、なんでこんなことになるのでしょうか?
傾向として、これは内部監査を行う社内の監査員が、チェックリストを上から順に忠実に項目だけを見てチェックして回った結果だと考えられます。
ウェビナーでは、「監査員が厳格にしすぎている」「内部監査員は良くも悪くも自社の実態を熟知しているから、なおさらに厳しく行ってしまいがちである」というふうなことが言われてました。
 
SQFやHACCPでは、安心安全な食品の生産を行う事ももちろんですが、それと同時に生産性や業務の効率化も重要視します。
チェックリストを追っている内に、いつの間にかCCPやCQP、そうでない箇所での判断にズレが生じ、食品の安全性にそこまで重要じゃないリスクを根こそぎ点数化してしまっている可能性があるのです。
 
それでは内部監査はどうあるべきなのか。監査員は何を意識してやるといいのか。
これについて次の記事で取り上げたいと思います。

次の記事を見る 第9版内部監査 2/2