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本記事は2021年3月にSQFIのホームページで更新された"Bureau Veritas SQF Webinar - The ONE thing you NEED to do before your audit."を参考にしております。本記事内で紹介する内容と実際の情報には多少解釈の違いがある場合があります。あらかじめご了承ください。

内部監査プログラム

 前回の記事の続きです。前回の記事はこちら

前回の記事で、内部監査がどうあるべきか・監査員は何を意識してやるといいのか、なんの為に内部監査を行っているのかが掴めたんじゃないかと思います。では、具体的にどんな内部監査プログラムを持つべきなのでしょうか?
 
本題に入る前に、内部監査プログラムの流れとポイントを簡単に。

では本題です。
 
今回の記事では、以下の 4つのポイントでお話していきたいと思います。
皆様の会社の内部監査プログラムと比較しながら読んでいただけたらと思います。
 
・どんなプログラムを持つべき?
・年 1回の活動になりがちでは?
・本当にフォローアップできていますか?
・多種多様な人間に関与させることが出来ていますか?

・どんなプログラムを持つべき?

答えはシンプルです。なんの為に内部監査をしているんでしたっけ?
前回の記事を見てもらうのもいいですが、あえて違う言葉でもう一度答えてみますね。
有効なプログラムというのは、「自社の食品安全システムが『今も』サイトのニーズを満たせているのかを確認することができ、システムの改善にもつなげることが出来ているもの」のことを言います。
同じ問題を何度も繰り返していたり、1つの問題から予測可能な問題を特定しようとしていなかったり、長期的な是正措置が行われていなかったりする場合は、それは有効なものとは言えず、改善の余地があるでしょう。

・年1回の活動になりがちでは?

本来、内部監査プログラムを使って検証活動を行い、問題を早期発見し、必要に応じてシステムやプログラム自体に細かな変更を行っていくのが、理想的なかたちと言えます。ですが、多くの会社でこの内部監査プログラムが年1回の面倒な作業となってしまっている傾向があります。
 
文書でよく目にするものに、「少なくとも年に1回行わなければならない」という言葉があるからでしょうか?間違ってほしくないのが、「○月の1週間で内部監査を行おう。」「監査前に23日内部監査期間を設けよう。」こういった認識をしてしまうことです。
結論を言うと、1年を通してシステムが現在の自社のニーズを満たしているのか確認しないといけない」という認識がベストです。
もともと内部監査はシステムの継続的な改善を目的としているということもそうですが、例えばSQF審査前23日でシステム全てをチェックし課題を特定し短期的・長期的是正を行い、その記録を残し、関わった人間全てに報告するというのは目が回るような忙しさになると思いませんか?
サイトの規模が大きければ大きいほどこれは当てはまると思います。

・本当にフォローアップできてる?

内部監査でありがちなのが、問題を特定し短期的是正措置を講じて終わってしまうことです。
最低限根本的な問題の解決までは持って行くとして、私自身フォローアップにはいろいろなことが含まれると考えていますので、以下に例をあげていきます。皆様の会社でどこまでのことが出来ているのか参考にしてみてください。
 
・システムの改善
・他部署での同類の問題の再発防止 
・関与した人間全員への報告と理解、またその他従業員の理解
※食品安全文化の構築にも繋がる
・従業員・監査員のトレーニング
※必要かどうか判断しトレーニングを行う事もフォローアップといえるでしょう
・具体的な記録の保管
※例えば、その結論にいたった経緯や思考、判断基準が何だったのか、関与した人間 等 具体的に記録を残すとより良い

・多種多様な人間に関与させることが出来ていますか?

さまざまな視点をもつ人間を関与させることで、システムがより良くなっていく傾向があります。簡単な例でいうと、現場の人間がほとんど関与していない場合、内部監査は失敗に終わります。システムの改善はおろか表面的な課題にしかたどり着けないでしょうし、現場の人間からしたら意味不明な結論だけ伝えられ、面倒な作業だけが増えていくといった事例は少なくありません。そういった時、先入観のない人間を関与させることで、まったく違った結論にたどり着けることもまた少なくありません。

3つの記事を通して内部監査についてお話しさせていただきました。
かなりのボリュームになってしまいましたが、皆様の内部監査への認識に少しでも変化があったり、皆様方の持つ内部監査プログラムの発展に繋がれば幸いに思います。
 

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